(も) モンスターペアレント


モンスターペアレント
 → モンスターペアレント(Monster parent)とは、学校に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者を意味する和製英語である。
(Wikipedia)
 当研究所では、「要求を繰り返す保護者」ではなく、「要求を押し付ける保護者」と解釈します。つまり、回数は問題ではないと解釈します。



 近年問題となっているモンスターペアレントについて調べてみた。






(2007.12) 心を病む教員が急増

心を病む教員が急増「先生を孤立させないで」
(2007年12月29日 読売新聞)
 心を病む教員が、なぜ急増しているのか。昨年度1年間で4675人もの公立校の教員が、休職する理由になった「精神性疾患」。背景を探ると、単なる「業務の多忙さ」では片づけられない事情も浮かぶ。
 深夜になっても携帯電話を鳴らしてくる保護者、同僚に悩みの一つも打ち明けられない職場……。専門家は「先生たちを孤立させないことが大切」と指摘している。

支え合う職場作り必要
 「自分が情けない。子供たちに迷惑をかけて申し訳ない」
 兵庫県伊丹市の公立学校共済組合近畿中央病院。学校に復帰するため専門のトレーニングを受けている小学校の女性教諭(50歳代)は涙を流した。
 6年生の担任と親の介護で疲れ切っていた今年春、別の小学校への転任が決まった。低学年を担任したかったが、経験を買われて6年生を任された。
 多感な高学年のクラスはささいなことでよくケンカが起きる。
 「うちの子が同級生にぶたれたと言っている。どうなってるんだ」。保護者から夜になって学校に入った苦情電話に「明日確認します」と答えると、「明日じゃダメだ」とどなられた。
 転任からまだ2、3か月。酒を飲んで愚痴を言う同僚もいない。「自分はベテラン」とのプライドが邪魔して相談もできなかった。
 そこに介護疲れが追い打ちをかけ、ある朝、体がだるくて動かなくなった。「学校に行かなくちゃ」という気持ちを体は拒絶し、休職するしかなかった。
 「仕事の多さもあるが、職場で教師同士が支え合う関係がないと厳しい」。同病院の井上麻紀・主任心理療法士は解説する。
 東京都西東京市の自宅アパートで自殺を図り、昨年12月に死亡した小学校の新任女性教諭(当時25歳)も多忙な中で孤立していた。
 担任した2年生に万引きの疑いがかかり、深夜まで謝罪に歩き、「上履き隠し」が起きて保護者会で問題にされた。7月にうつ病を発症して休職。8月に復職したものの、学級内でいじめも起こり、保護者から毎日のように深夜に携帯電話を鳴らされる状態だった。
 2004年まで中学校の校長を務めた井尾雅敏さん(63)(北海道余市町教委生涯学習推進アドバイザー)は、教員が分担して作る「学校経営計画書」を簡略化したり、職員会議の時間を短縮化したりした経験からこう指摘する。
 「教師の仕事をスリム化して、子供を職員室全体で見る体制作りがカギ。教師が一人で問題を抱え込まないよう、校長や教頭も対応するべきだ」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20071229ur01.htm



(2007.07) モンスターペアレント

増えるモンスターペアレント(上) 教員に無理難題
中日新聞 CHUNICHI Web 【暮らし】 2007年7月1日
 学校に無理難題を突きつける保護者は、教育現場では「モンスターペアレント」と呼ばれる。指導力不足や不祥事を起こす教員など公教育への不信感が背景にはあるが、一方でこうした保護者の存在も教育現場を委縮させている。 (井上圭子)
 神奈川県相模原市のある中学の校長室。母親同士が激しい言い争いをしている。しかも子どもの前だ。せっかく子どもが自分たちでいじめのトラブルを解決しかけていたのに、納得しない親たちが相手の子どもに罵詈(ばり)雑言を浴びせつける。
 同校の教員(36)は「親が中学生と同レベルで本気で怒って泥沼化させてしまう。中には『身内には弁護士もいる』と裁判をちらつかせて責める親もいる」と話す。
 こうした保護者に共通なのは「一方的な主張」だ。「うちの子がいじめられた」と訴える父親が、“容疑児童”の調書を作って乗り込んできたことがあった。他の子どもたちに聞き取り調査まで行い「〇月〇日、A子はどこで誰に何をした」などと数十ページにわたって詳細に記し、「悪質なA子の転校を求める」と要求された。「自分の子だって他の子をいじめてるのに、わが子の『やられた』という言い分しか信じない」とこの教員は首をかしげる。
 電話での問い合わせや苦情も「日常茶飯事」(ある教員)。東京都内のある公立小学校では毎日午前十時までと午後四時以降は、保護者からの電話応対の時間に充てている。教員は帰宅後も応対が終わらない。真夜中に生徒の母親から「離婚したいけど先生どう思う?」と、家庭内のことで自宅に相談の電話がかかってきたこともあった。この教員(32)は「こんなことまで私の仕事かと思いながらも、邪険にしたら後で何を言われるかと思うと切れなかった」と告白する。
 学校の指導法にクレームをつける保護者もいる。教育上決めたルールに従って進めているのに「うちの子は足が速いのになぜリレーの選手になれないのか」「うちの子は二十五メートル泳げるはずなのになぜ検定に受からないのか」と苦情がくる。
 前週に配ったプリントを子どもが親に渡し忘れていたのに「本当に配ったのか」と非難される。後にランドセルの奥からプリントが発見されると「先生の指導が悪い。おかげでうちの子の課題提出が遅れた」と逆ギレされた。東京都中央区の公立小学校教員(36)は「保護者に全く信用されていない」と嘆く。
 「学校の監視」は徹底している。校庭を見下ろす高層マンションに住む保護者は、双眼鏡で体育などの授業の様子をチェックしては、翌日の連絡帳に「ここはこういう指導法に変えた方がいい」などと細かく“アドバイス”してくるという。こうした保護者は、いつでも急降下(要求)できる状態で子どもや学校現場の上空を旋回することから「ヘリコプターペアレント」とも呼ばれる。
 こうした保護者が増えた背景には教育への不信感があるが、それだけではないようだ。都内のある公立小学校の校長(58)は「消費社会の中で、親の意識が『学校とともに子どもを育(はぐく)むパートナー』から『サービスの受益者』に変わり、顧客満足度が学校評価の物差しになった。その上、以前は地域で子育てする中でわが子の位置を自然に把握できたが、今は近所付き合いもなく自分の子しか眼中にない親が増えた」と分析する。
 前出の相模原市の中学教員は保護者の現状を「一学級に生徒が三十五人いるとすると、親を含めて五十人以上の子どもの面倒を見ている感じだ」と例える。
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2007070102028640.html


増えるモンスターペアレント (下)  説明伝わらず苦慮
中日新聞 CHUNICHI Web 【暮らし】 2007年7月2日
 保護者が突きつける無理難題に、教員たちは日々対応を迫られ疲れ切っている。だが、親も教員も本来「子どものため」を思う気持ちは同じはずだ。お互い協力して子どもの教育に取り組むための方策はないものか。
 「担任はうちの子を問題児扱いした。内申点が足りずに中学受験に落ちたら担任のせいだ」
 私立中学進学熱の高い東京都内の区立小学校の校長室に、わが子の通知表に不満を持った父親が乗り込んできた。
 この児童は「宿題はやらないことが多く、提出物は忘れがちだった」と担任教員(30)は言う。何度も催促したが、これでは採点ができず通知表はその結果だった。校長が事情を説明しても父親は信じなかった。
 「モンスターペアレント」の特徴は、一方的に学校を批判することだ。学校側が事情を説明し理解を得ようとするが、なかなか伝わらない。しかも学校を飛び越し教育委員会に苦情を申し立てたり、訴訟を起こされることもある。こうなると対立は決定的となり、学校と保護者が話し合いで問題を解決する方向にいきにくい。
 その上、保護者の学校への不信感は子どもにも影響する。「教育委員会にチクる(密告する)ぞ」。ある教員(34)は「こんな言葉を吐く十二歳を見ると、背後に保護者の影を感じて空恐ろしくなる」という。
 持ち込まれる苦情に教員のストレスは増すばかりだ。苦情を受ける部署のあることが多い一般企業と違い、学校では個々の教員が直接保護者と向き合わざるを得ない。
 別の都内公立小教員(28)は「連絡帳に何か批判的なことが書かれていると、自分は悪くなくても面倒だからつい『すみません』と書いてしまう」と話す。神奈川県のある小学校教員(36)も「こちらがもっとき然とすれば親の態度も変わるかも」と自戒しながらも「疲れ切っているので謝って済むなら何度でも頭を下げてしまう」と告白する。
 こうしたストレスも一因で精神疾患となる教員もいる。文部科学省によると、一昨年度に全国で病気休職した教員のうち四千百七十八人(59・5%)が精神性疾患で、十年連続で増加している。
 学校にも課題はある。苦情にさらされる教員を守る組織力が不足している。ある教員(37)は「気をつけていてもけがをさせてしまうことはあるし、わが子の命に親がむきになるのは当たり前。問題は学校の体制や設備がその原因の場合でも、校長が担任の責任にして逃げるケースが増えたこと。これも教員個人の訴訟費用保険加入が増えた原因の一つ」と指摘する。
 東京都港区教育委員会が、こうしたトラブルに対応するため専任弁護士を設ける「学校法律相談」制度を始めたが、試みは始まったばかりだ。
 双方が対立してしまう背景には、コミュニケーション不足もある。以前は当たり前のようにできた家庭訪問も、今は共働きなどで保護者不在が多い。個人情報保護法が壁となり、以前のように詳しい家庭状況調査もできない。都内の中学校長(58)は「情報不足、コミュニケーション不足だから不安になる。お互いの顔や考えがわかれば、ささいなことで苦情は来ない」という。
 「教員はつくづく“接客業”だと思う」と前出の教員(34)はため息をつくが、逆転の発想を求める声もある。千葉県の中学校教員(50)は「『困った親』は、実は『困っている親』『困っている子どもの親』。苦情をSOSだと思って耳を傾ければ、逆に強固な信頼関係を築くきっかけになる」と話す。 (井上圭子)
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2007070202028940.html



(2007.07) モンスターペアレント対策

保護者の「理不尽な苦情 無理難題」 福岡市教委、対策に本腰 学校、教員を支援へ
西日本新聞 7月20日10時8分配信
 福岡市教委は、学校や教員に対して「理不尽な苦情」や「無理難題な要求」を突きつける保護者が増えているとして、本格的な対策づくりに乗り出す方針を固めた。市教委が「理不尽」と評価する苦情、要求は月平均で約100件にも達する。教員が対応に追われ、児童や生徒と向き合う十分な時間を確保できないケースもあるといい、市教委は学校現場をサポートする態勢を築く必要があると判断した。
 同市教委学校教育課によると、保護者からの「理不尽」な苦情、要求は2005年8月に設置した「学校保護者相談室」のほか市教委、各学校に直接寄せられている。ここ数年で「『自分の子ども中心』の訴えが目立つようになった」という。
 特に多いのが、教員の教え方や性格を事細かに指摘した上で「ウチの子と合わない。代えてほしい」という内容。さらに「いじめっ子のあの子を転校させろ」「校長が駄目なので交代させてほしい」「運動会の日程が(塾などの)模擬試験と重なったので変更してもらえないか」などもある。
 「理不尽」なのは、苦情や要求の内容だけではない。その伝え方も、学校に直接出向いて怒鳴り散らす親や、深夜に電話で2‐3時間も苦情を訴える人もいるという。
 こういった苦情、要望への対応に苦慮する教員は増えており、同市教委は「問題を担任教諭や学校に押しつけず『何らかの手』を打つことにした」という。具体的な対策は現在検討中。学校と保護者間のトラブル解決を目的に助言を行う「学校保護者相談室」の機能充実や、別の専用窓口の新設などが浮上している。
 保護者からの「理不尽」な苦情、要求は全国的に問題化している。東京都港区は弁護士が教諭の相談を直接受ける制度を設けたほか、北九州市教委は8月に「学校支援チーム(仮称)」を発足させる予定で、多様な動きが出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070720-00000017-nnp-l40



(2007.07) モンスターペアレント保険

教師用「訴訟保険」需要急増、都の公立校では加入者3割強
読売新聞 7月24日14時36分配信
 保護者などから起こされる訴訟に備え、保険に加入する教師が増えている。
 大手損害保険会社の大半が教師専用の保険を扱っているほか、公務員全般を対象にした保険を利用する教師も多い。東京都の公立学校では今年、保険に加入する教職員が3分の1を超えた。こうした状況は、学校に対する親の理不尽なクレームが深刻化する中、教師たちが「いつ訴えられるかわからない」という不安を抱いていることを示している。
 複数の大手損保によると、教師向けの損害保険が出来たのは2001年前後。損害賠償請求訴訟を起こされた際の弁護士費用や、敗訴した場合の賠償金を補償する。毎月の保険料は200〜1000円、補償額は300万〜5000万円前後で、現在、大手損保6社のうち5社が、こうした保険を販売している。ある大手損保の担当者は、「口コミで保険の存在が広まっている」と語る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070724-00000007-yom-soci







ご意見・情報をお寄せください。
mary_kay2@infoseek.jp


戻る  Top  Home



動画 アダルト動画 ライブチャット