2001年2000年


2001年



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大阪市教委の先生処分、半年で9人 セクハラ・ストーカー/業者から出張費

 大阪市教委が今年九月までの半年間に処分した学校教職員が九人に上ることが一日、市民団体「子どものための民間教育委員会」(良井靖昌代表委員)の公文書公開請求でわかった。教え子へのセクハラや同僚へのストーカー行為のほか、業者に運賃やホテル代を出させ出張旅費を浮かせるなど、モラル低下が目立つ。
 内訳は免職、減給、文書訓告が各二人、停職、休職、戒告が各一人。
 公開文書によると、免職は中学教諭と高校臨時実習助手。教え子の女子生徒と携帯電話で電子メールをやり取りしたり、自宅に泊めてわいせつ行為をしたりした。三か月の停職処分の中学教諭は、運動部の女子生徒に練習試合で「気合を入れる」と体罰を加えたうえ、試合後に居残らせてセクハラ行為をした。
 また、小学校の男性教諭は、交際を求めて帰宅時に同僚の女性教諭に付きまとったとして戒告処分。小学校長と中学校長は出張の際、同じ教材業者に往復の交通費や宿泊費を負担させて出張旅費を浮かせるなどし、減給十分の一(一か月)の処分を受けた。
 教職員の処分状況を定期的に公開請求でチェックしている良井代表委員は「こんなにひどい不祥事がぞろぞろ出てくるのは前代未聞」と指摘。市教委教職員課は「二度と信頼を損なうことがないよう、さらに服務規律の徹底に努め、今後も厳正な処分を行う」としている。
読売新聞社 2001.11.02 大阪朝刊 1頁 (全550字) 




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深夜押し掛け、女性の顔を数十回殴る 氷見署、中学教師を傷害容疑で逮捕=富山

 ◆携帯に応答なく焼きもち
 県警捜査一課と氷見署は三十日、小矢部市立石動中学校教諭の砂川太知容疑者(45)(小矢部市西中)を傷害の疑いで逮捕した。
 調べによると、砂川容疑者は九月五日午後十一時ごろ、交際していた県西部の女性教諭(30)宅に車で押し掛け、翌六日午前二時ごろ、女性が呼び出しに応じて車に乗り込んだところ、顔面を手で数十回殴り、十二日間入院するけがを負わせた疑い。
 砂川容疑者は、女性宅に押し掛けた際、女性が家から出てこなかったため、車のクラクションを鳴らし続けた。このため女性が、近所に迷惑がかかると思って呼び出しに応じたところ、犯行に及んだという。
 砂川容疑者は保健体育担当で、現在、一年生の学年主任やサッカー部顧問をしていた。女性は以前、同中学校に勤めており、約一年前から砂川容疑者と交際していたが、今春ごろ、別れることになったという。
 砂川容疑者は、携帯電話をかけても出ないので新しい男友達が出来たと思い、女性宅に押し掛けたなどと話し、容疑を認めている。
 石動中学校では三十日、緊急職員会議を開き、大浦信一校長が教職員に事件の概要を説明した。大浦校長によると、事件を知って事情を聞いた際、砂川容疑者は、非常に落ち込んでいたという。同校はきょう一日に全校集会を開き、生徒に事件について説明する。
 県内では、七月に魚津市立西部中の男性教諭(36)が県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕されるなど、教職員の不祥事が続発しており、県教委の山本実教職員課長は、砂川容疑者についても「事実関係をきちんとつかんだうえで、厳正な処分を行いたい」と話した。
読売新聞 2001. 10. 01 東京朝刊 富山 36頁


教諭逮捕で校長が集会開き概要説明 小矢部市立石動中=富山
 交際していた元同僚の女性教諭を殴ってけがをさせたとして、小矢部市立石動中学校教諭砂川太知容疑者(45)(小矢部市西中)が傷害容疑で逮捕された事件で、同校は一日朝、全校集会を開いた。
 大浦信一校長は生徒らに事件の概要を説明したうえ、「事件で失われた本校の名誉と信用を回復するため、教職員一丸となって頑張るので、今まで通りの学校生活を送ってほしい」と話した。
読売新聞 2001. 10. 02 東京朝刊 富山 32頁


交際女性に傷害で罰金 中学教師を懲戒免職 4月以降6人目の処分=富山
 県教委は十六日、交際していた女性教諭(30)を深夜に呼び出したうえで数十回にわたって殴りけがを負わせたとして、九月三十日、氷見署などに傷害容疑で逮捕された小矢部市立石動中学校の砂川太知教諭(45)を懲戒免職処分とした。また、同市教委は同日、部下の監督に責任があったとして、同中学校の大浦信一校長を文書訓告とした。
 砂川教諭は今月十日、同罪で略式起訴され、高岡簡裁から罰金三十万円の略式命令を受けた。
 教員の懲戒処分は今年四月以降、砂川教諭で六人に達し、うち二人は懲戒免職。県教委教職員課の山本実課長は「信頼回復に努力していた最中で、非常に残念で憤りを感じる。教員研修の見直しも当然やるが、各人に強く自覚をうながしたい」と話した。
読売新聞 2001. 10. 17 東京朝刊 富山 36頁





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29歳女性教諭を脅迫容疑で逮捕 失恋腹いせに無言電話 鹿児島・徳之島署

 鹿児島県警徳之島署は三十日、同県内の女性に脅迫状を送りつけたり、繰り返し無言電話をかけたとして、兵庫県三田市ゆりのき台二、公立小学校教諭冨森明日香容疑者(29)を脅迫と県不安防止条例(ストーカー防止条例)違反の疑いで逮捕した。
 調べによると、冨森容疑者は八月二十七日から九月十九日にかけて、鹿児島県大島郡内の女性(28)に「殺す、死ね」と書いた脅迫状五通を郵送して脅したうえ、七月一日から八月三十日の間、二百数十回にわたって自宅に無言電話をかけて嫌がらせをした疑い。
 冨森容疑者は女性と面識はないが、「兵庫県の男性に失恋し、男性が持っていた名簿の中で、目についた女性に嫌がらせした」と供述している。
読売新聞 2001. 10. 01 西部朝刊 社会 39頁




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校外学習に安全手引 富士市教委、児童・教諭水難事故受け作成=静岡
読売新聞社 2001.09.08 東京朝刊 33頁 (全479字) 
 富士市内の海岸で今年七月、同市立元吉原小学校の校外授業の最中、一年生の男子児童が高波にのまれ行方不明となり、助けようとした女性教諭が水死した事故を受け、同市教委は七日までに、「校外学習における安全対策の手引」を作成、校長会で配布した。
 手引書には、校外で安全に授業を実施するため、授業の担当者に課す入念な手順が示され、〈1〉一週間前に実施計画書を直接校長に提出〈2〉校外学習引率届を三日前までに提出〈3〉授業実施当日に、現地の状況を確認し校長に再許可を求める−−などとしている。
 同市教委によると、これまで校外授業を行う際に、事前のチェック手順を示したマニュアルなどはなく、この手引によって、授業実施の責任を明らかにし、事故防止につなげたいとしている。市内三十九の全小・中学校は今後、手引書を参考に、地域の危険個所などに配慮して、それぞれの安全マニュアルを作成する。
 校長会で太田均教育長は、「今回の水難事故は当事者の学校だけの問題ではないという問題意識で手引を作った。安全が確保できないと判断した際は、その授業を中止する決断をしてほしい」と、各校長に呼びかけた。




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自殺願望、宅間守容疑者の奇行37年 大教大付属池田小23人殺傷

 想像を絶する凄惨な事件が起きた。大阪府池田市の大阪教育大学付属池田小学校に6月8日午前、出刃包丁を持った男が乱入し、児童と教師の計23人が刺され、うち8人の児童が死亡した。殺人容疑で逮捕されたのは元学校職員の宅間守容疑者(37)。地域や職場でのトラブルが絶えない、評判の札つき男だった。

 「息子が事件を起こす前兆はありました。二十歳のころに病院の屋上から飛び降りて死にかけたんです。あのとき死んでくれとったら、今回の事件はおへん。ワシは当時、家内と話したんや。『このまま死んだほうが苦労せんですむのにな』って」
 逮捕された宅間守容疑者の年老いた父親は、凶行から8時間たった6月8日夜、兵庫県伊丹市内の自宅で本誌の取材に淡々と語り始めた。
 「そのとき守は精神病院に入院しとったんですが、4階建ての建物の屋上から、金網の柵を乗り越えて飛び降りた。ところが、下のガレージの屋根がクッションになって助かった。傷が治るのに2カ月ぐらいかかりよった。そのまま命を永らえたから、今日の結果になったんや。わしの悪い予感が当たってしもた」
 宅間容疑者は退院してから間もなく事件を起こした。他人の車を傷つけたのだ。
 「自分が運転してるとき、対向車のヘッドライトが上向きになってて、ギラギラまぶしかったらしい。それで怒って相手の車を追いかけて、ケンカしよったんです。守はキリを持ち出して、相手の車の天井をベコベコにした。もちろん警察ざたになった。ワシは異常な話やと思ったから、精神病院へ連れていって入院させてくれと頼んだんです。けど、あかなんだ」
 父親によると、そんな宅間容疑者が初めて警察に逮捕されたのは、この「ベコベコ事件」の2年後のことだ。
 「あの野郎が警察の検問を振り切って逃げたんです。警察がパトカーで追いかけると、阪神高速を逆走して逃げたんや。そのとき逮捕されたけど、結局、何の処罰も受けなんだ」
 両親と兄の4人家族で育った宅間容疑者は、家庭内でもトラブルメーカーだった。
 父親は息子の行状を憎々しげにこう語った。
 「守は高校中退後、航空自衛隊に入った。栄達の道があるということで、本人はものすごい喜んで、浮かれてましたわ。山口県の防府や愛知県の小牧で、地上勤務をやっとったはずです。羽田沖で日航機が墜落したときに救助に行ったとか、得意げに言ってましたから。けど、やっぱり期待を裏切って辞めよった。その後です、わしの留守中に母親を殴るようになったんは。兄貴がローンで買ったアウディをベコベコにしよったこともありますよ。『生意気や』言うてね。バットみたいな木の棒でフロントガラスまで割りよった。その兄貴も2年前に自殺した。あいつの存在は、兄貴の精神状態にも相当影響しとったね」
 宅間家と親しい女性も、
 「あの子は、二十歳をすぎて家庭内暴力が始まった。お母さんはよく体にアザをつくってたし、お父さんも息子と殴り合って血を流したりしてた。花瓶や額が割れて、室内に散乱してたことも……」
 と言う。凶暴な性格は幼いころからのものだったようだ。中学時代の同級生(37)は、
 「あいつは昔から生き物を殺すのが好きやったんや」
 と、こう振り返る。
 「家の近所の河原でな、ヘビを捕まえて頭のところをギュッと絞めるんや。バリバリッて音がして、ヘビが死ぬのを見て楽しむんやて。あと、どうしても忘れられんのが“ネコ焼き”の話やね。『ドラム缶で火を燃やし、生きたままのネコを投げ込んだったら、熱うなって飛び出してきよった。三毛猫が真っ黒こげの黒猫になって、毛が焼けて縮れとった』って、笑いもせずに淡々としゃべってるとこが怖かったわ……」
 父親は13年前に宅間容疑者を勘当した。しかし、その後も折にふれて連絡を取らざるをえなかったという。
 「『息子の行方を知らんか』と聞いてくるやくざめいた人間と、なんべん折衝したかわからへん。カネの問題もそうや。わしは自分の稼げる範囲で暮らせと何回も言い聞かせたつもりなんやけど、ラクして暮らしたいというあいつの気性はなおらなんだ。派手というか移り気というか。服もどんどん買い替えてたしな。複数の消費者金融からもカネを借りてた。総額は300万円ぐらい。一昨年、ある金融会社からはわしのところへ何回も電話がかかってきて、『息子がカネを返さんから、おやじさんが弁償してくれ』と言われた。結婚と離婚も繰り返したようやけど、わしは結婚相手の名前も知らんねん。あいつははったり屋で(女)たらしやったから、女関係もいろいろあったんやろけどな」

 ○引っ越し後のアパートの部屋には“錠剤”が散乱していた
 宅間容疑者は過去に数回、結婚している。最初の相手は小学校時代の担任で、離婚すると、今度は職場で知り合った年上の女性の養子になった。そこを勘当されて結婚した次の妻との間には子どもができたが、離婚している。このとき別れ話がこじれ、彼女を殴って傷害事件で逮捕されたことも。その元妻は、
 「離婚したんやから、話すことはなにもない。とんでもない男やった……」
 とだけ語った。この元妻との離婚直後の99年3月には、技能員として勤務していた兵庫県伊丹市の市立池尻小学校で、同僚に精神安定剤入りのお茶を飲ませ、傷害容疑で逮捕された。「むしゃくしゃした」というのが犯行理由だ。
 このときは処分保留で釈放され、精神安定剤依存症との診断で、西宮市内の病院に措置入院。その後もこの病院に入退院を繰り返していた。宅間容疑者が住んでいたアパートの大家は、
 「『薬が届くから受け取っといて』と言われ、2、3回そうした。たしか精神病院からだった」
 と話している。宅間容疑者は精神安定剤を郵送で受け取っていたのか。引っ越し後の室内は錠剤が散乱していたという。
 今年5月23日から2日間、前出の病院に入院しており、病院は退院時の様子について、
 「自傷他害を起こすような精神状態ではなかった」
 とコメントしている。
 それにしても、なぜ今回、大阪教育大付属池田小学校が狙われたのか。特別な恨みでもあったのだろうか。父親は続ける。
 「わしにはちょっとわかりまへん。ただ、大阪教育大、昔の池田師範学校ね、これにあこがれとったフシがおまんのや。わし、ハッと思いついたことがあってな。守は小学校4、5年のときに、そこで学力テストを受けてまんねん。それが悪かった。あかんかったということです。そのときからのわだかまりがあったんちゃうかと……」
 その小学校に宅間容疑者が侵入したのは、6月8日の午前10時10分ごろだった。
 体育館わきをぬけ校舎1階東端にある2年東組の教室に入り、手にした出刃包丁で椅子に座っていた児童4人の背中を無言で次々と刺した。
 犠牲者がもっとも多かった2年南組の男子児童は、
 「キャーッという悲鳴がして振り向いたら、女の子の体から血がビューッと噴き出しとった。首を切られた女の子もいた。男が何も言わんと包丁を振り上げたら、その子の体が宙に浮いて、落ちたらもう動かなかった。何がなんやらわからんようになって、とにかく頑張って走って逃げた。気がついたら、僕の制服にも血が少しついていた」
 他の目撃者の話でも、宅間容疑者は終始無言、目を見開いたまま無表情で、逃げる子どもたちを追いかけ、顔色ひとつ変えず、背中や腹に次々と包丁を突き刺したという。
 1階西端の教室で事件に遭った1年南組の女子児童は泣きながらこう語った。

 「休み時間だったので、教室にはまだ7人くらいしかおらへんかった。犯人がテラスから入ってきて、ブルブルと震え、息をハアハアさせてた。それから、最初に目が合った児童を目指して走り寄って、包丁を突き刺した。ブスッと音がして、おなかと右腕あたりから血が出てた。床に倒れて、全然動かなかった。男は何も言わずに、近くの子の背中も刺しました」
 この女子児童がテラス側に逃げると、顔や腕が血だらけになった田辺義朗教諭(28)が倒れており、
 「早う逃げるんや……」
 と叫んだという。

 ○過去に数回の結婚・離婚歴、初婚は20歳も年上の女教師だった
 逮捕された宅間容疑者は警察の調べに対して、
 「何回も自殺を図ったが死にきれなかった。なにもかも嫌になった。捕まえて死刑にしてほしかった」
 などと供述している。
 上智大学名誉教授(犯罪心理学)の福島章氏は、宅間容疑者の一連の行動は「間接自殺」では、と分析する。
 「彼には自殺願望があり、薬を飲んでみたけれど死ねないので、悪いことをして死刑になりたいと考えた。自力では死ねないので国家権力によって殺してもらおうという考えです。間接自殺の願望がある人は、死ぬ前に大きなことをして世間の注目を浴びたいとか、自分を死なざるをえないところまで追いつめた社会に復讐したいと考える。通り魔による大量殺人がまさにこのケース。99年7月の全日空機ハイジャック事件や昨年5月の西鉄バスジャック事件も同じ構図といえるでしょう」
 実はこの「間接自殺」、銃社会の米国では「スーサイド・バイ・コップ=Suicide by Cop」(警官による自殺)と呼ばれ、数年前からすでに社会問題化している。銃を乱射した犯人が、駆けつけた警官に射殺されることを望むという、はた迷惑な話である。昨年12月には、ストーカー容疑で調べられていた男が、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校に、銃を持って乱入し、
 「俺を殺せ! 撃ち殺してくれ!」
 と叫びながら、校内の警官と撃ち合う事件が起きた。捕まった男は公判で、
 「なにもかも嫌になった。もう他人を傷つけるのは嫌だから、警察に殺してもらおうと思ってやった。事件自体は後悔していない。強いて後悔するとすれば、自分が殺されなかったことだ」
 と、「スーサイド・バイ・コップ」が動機だったことを認めた。「なにもかもが嫌になった」という言葉は、まさに宅間容疑者と同じではないか。
 CNNなど米国のメディアによると、学校を舞台にした殺人事件が米国内で過去5年間に16件も起きているという。米国で学校が民間警備会社のガードマンを配置する「スクールポリス」というシステムが普及し、金属探知機や監視カメラを設置する学校が増えているのは、このためだ。
 82年に起きた羽田沖日航機墜落事故の機長の精神鑑定を担当した精神科医の日向野春総氏も、こう語る。
 「一人で死ぬのは嫌だ。みんなで死にたい。だけど自分で死ぬのは嫌だ。こういう形の犯罪は、他人を巻き込みやすい学校のような場所で起こることが多い。本人が死刑を望んでいるとしたら、判断能力、責任能力はあるでしょう」
 宅間容疑者は82年に航空自衛隊を任期なかばで除隊し、父親に勘当されたころから職を転々とした。その後、93年夏に市バスの運転手として伊丹市交通局に採用された。
 「無口で、協調性に欠け、人づきあいがへた。短気な男で95年には乗務員同士のトラブルから訓告処分に。96年にはバスの女性客に、『香水の匂いがきついから、後ろのほうの席に座れ』などと乱暴な言葉を使ったため、減俸10分の1(1カ月)の懲戒処分とした」(伊丹市交通局)
 当時の知人はこう言う。
 「就職したとき彼は29歳で、20歳ほど年上の有名作家の妹と結婚してた。今回の事件で精神病とか言われてるけど、それはちゃうで。あいつは自分より弱いやつをちゃんとわかってて、小学校を選んだんや。昔から『おれ、変やから、人を傷つけても罪にならへん』言うとった。いま思うと、人殺ししても大丈夫と思っとったんとちゃうか」
 その後、97年春に環境クリーンセンターに異動し、清掃作業などを担当したが、人間関係がうまくいかず、職場替え。池尻小の技能員になったのは、その後だ。
 ここで前出の傷害事件を起こした後も、宅間容疑者のトラブルメーカーぶりは変わらなかった。池田市の宅間容疑者の自宅マンションの周辺では、「子どもにつばを吐きかける」「異様な目つきでにらみつける」などの苦情が絶えない。近所に住む主婦は、言う。
 「いつも、ぶつぶつ言いながら、ぺっぺっとつばを吐いて歩く。近所の人が怒った顔をすると、にらみ返してきた。それ以来、車でその人の家の前を通るときはわざとゆっくり走って、ガンをつけてから走り去るようになった。その人が怖くなって家に防犯カメラをつけたほど」
 河川敷に段ボール箱を不法投棄していると苦情を受けたマンションの管理人が、宅間容疑者に電話で注意すると、
 「そういうことなら出るところに出て話しましょうか」
 と居直った。最近、駐車中の車が何台もパンクさせられる事件が起こっていた。被害者が警察に相談したが、
 「証拠がないので、むずかしいですね……」
 と言われたままだった。

 ○「迷惑駐車」の張り紙に激怒し、猛スピードで車を発進させていた
 そして、犯行当日の朝−−。
 普段から自宅近くの河川敷に車を違法駐車していた宅間容疑者が、警察の「迷惑駐車」の張り紙をはがし、飛び出していくのが目撃されている。
 近くの住民の一人(63)がこう証言する。
 「宅間の車が猛スピードで出ていくのを見たのは午前9時40分ごろやった。水たまりの水をバシャッとはねて、それはすごい形相やった。警察が車に張り紙をしたのは6日の夕方やけど、昨日は車を使っとらなんだから、今朝初めて気づいたんちゃうか。張り紙は右側のガラスに計2枚」
 惨劇が起きたのはその約30分後。前出の日向野氏も、
 「最近は『世の中が、上司が、先生が悪いから、私がだめなんだ』と思う、攻撃型の精神病が増えている。こういう患者は、ささいなことがきっかけでキレる。たとえば、ハイヒールがマンホールの溝に引っかかって、かかとが折れたことが殺人事件のきっかけになったこともある。迷惑駐車の張り紙の件が、宅間容疑者の犯行の引き金になった可能性は十分ある」
 と話す。また、宅間容疑者は犯行直前に精神安定剤10回分をまとめて飲んだと供述しているが、前出の福島氏は、
 「薬の副作用が出ている可能性がある。これは『アカシジア』という症状で、不安感が強くなって、落ち着きがなくなり、破壊衝動や殺人衝動にかられることがある」
 とも指摘している。
 この日の午後、宅間容疑者は書類送検されていた別の傷害事件の調べで、大阪地検に出頭を要請されてもいた。
 「昨年10月13日のこと。当時うちでタクシーの運転手をしとった宅間が、大阪北区のホテルで客を降ろそうとしたとき、ドアマンから車寄せの位置が違うと言われて、カッとなって頭突きをかまし、ドアマンは鼻を骨折したんや。会社に就職したのが10日ほど前、16日にはクビになった」(タクシー会社の話)

 今年5月下旬には別のタクシー会社の面接を受け、不採用になったばかりだ。

 「履歴書に住所が5カ所も書いてあった。どれが本当の住所か聞いても、モゴモゴ言って答えない。住民票を持ってこいといったら、それっきりになった」(人事担当者)
 父親が指摘する浪費癖なのか、池田市内の中古車販売店から過去2年間に3台の車を購入したが、今年3月に60万円で買った中古のセドリックの残金28万円が未払いで、何度か催促もされていた。薬物混入事件のきっかけとなった元妻への恨みと未練がないまぜになってもいたようで、犯行の数日前、知人に、
 「前の嫁は子どもの顔すら見せへん。俺が電話しても出えへん。嫁はなめとる。やっつけたるんや……」
 などと、何時間も心情を吐露していたという。
 それだけではない。別の知人によれば、宅間容疑者は最近、
 「大金が入ってくるあてがある。これで俺も人生をやり直せる。ようやく運が向いてきた」
 と話し、自分で事業を興すと張り切っていた。
 ところが、事件の前日はうってかわって沈んだ様子で、
 「入ってくるはずのカネが入ってきいへんようになった。もう会社はできない。気がおかしくなってきた」
 と、しょげていたという。
 絶望と挫折、いくつもの出来事が宅間容疑者の脳髄を刺激し、ついにトリガーを引いてしまったのか−−。
 (本誌取材班)

 【写真説明】
 現在の宅間守容疑者の身長は180センチ近くで、筋肉質。小学校の卒業文集の寄せ書きにはなぜか「長生きしよう」と書いていた。右は中学時代
 付属池田小学校での現場検証。子どもたちの証言は、ショックのためか、食い違いも見られた
 大阪府警の毛布にくるまり池田署を出る宅間容疑者
 亡くなった児童 戸塚健大くん、猪阪真宥子ちゃん、本郷優希ちゃん、木曽友香ちゃん、森脇綾乃ちゃん、酒井麻希ちゃん、山下玲奈ちゃん、塚本花菜ちゃん

 凶行翌日、9日夜の告別式では、参列者は涙を浮かべていた
朝日新聞社 2001.06.22 週刊朝日 22頁 写図有 (全6,625字)




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メールで元担任脅し交際迫った容疑 亘理郡の専門学校生逮捕=宮城

 電子メールで中学時代の担任の女性教師(34)を脅し交際を迫るなどしたとして岩沼署は七日、亘理郡の男子専門学校生(18)を脅迫容疑で逮捕。調べでは専門学校生は昨年十一月末ごろから毎月二、三回、携帯電話にメールを送るなどして交際を迫ったうえ四月二十二日にメールで「今から家に行って家庭を壊す」と脅迫した疑い。その後も毎日五、六回無言電話やメールの脅迫を繰り返していたという。
読売新聞 2001. 06. 08 東京朝刊 仙台 32頁




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体罰教諭を減給 職務怠慢・女性教諭は停職 北九州市教委

 北九州市教委は二十七日、体罰で児童にけがをさせた小学校男性教諭(42)を、同日付で減給十分の一、三か月の懲戒処分に、職務怠慢の中学校女性養護教諭(46)を停職六か月の懲戒処分にした。
 市教委によると、男性教諭は昨年十月二日、授業中に着席しなかった三年生男子児童のあごを手で押し上げ、首に五日間のけがを負わせた。男性教諭は、市教委から指導力不足と判定され、一年間の特別研修中。
 養護教諭は、同市内の六校に勤務した約二十年間、生徒への手当ての時刻や処置内容を記入する保健日誌をつけず、授業中に保健室に来た生徒に「休み時間に来なさい」と言うこともあり、保護者から学校に改善要望が出されていた。市教委が昨年十二月に事情を聞き、改善するよう職務命令を出したが、従わなかったという。
読売新聞 2001. 04. 28 西部朝刊 社会 31頁




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阿南の集団食中毒 患者141人に 小型球形ウイルスを検出=徳島

 阿南市内の県立高校二校を宿舎に行われた県高校剣道専門部春季合宿での集団食中毒で、患者数が十九人増え百四十一人に達し、患者の便から小型球形ウイルス(SRSV)を検出したことが、三十日、県の調査でわかった。
 県によると、これまで患者がいなかった愛媛県の生徒七人も吐き気、下痢などの食中毒症状を訴えていたことが判明。患者の便を電子顕微鏡で調べた結果、同ウイルスが見つかり、感染経路の特定を急ぐ一方、共通食だった板野町の仕出し料理店の昼食弁当についても分析している。合宿には県内や兵庫、香川、愛媛、高知、鳥取の計六県から生徒や教諭ら三百三人が参加。徳島県立高校の男子生徒と、兵庫県立高校の女性教諭が入院治療している。
読売新聞 2001. 03. 31 大阪朝刊 徳島 31頁




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男子生徒と関係、女性教員を免職−−都教委
 東京都教育委員会は27日、男子生徒と肉体関係をもった都立高の女性教員(23)を諭旨免職処分にするなど処分を発表した。
 都教育庁によると、女性教員は昨年8月と11月、自宅で男子生徒に肉体関係を求められ、拒否しなかった。事情を知った親から学校に問い合わせがあり発覚した。生徒は「恋愛感情があった」と話しているが、都教育庁は「合意の上でも教師としては越えてはならない一線で、信用失墜行為にあたる」と処分した。
 このほか、書類を偽造し、校長名義の口座などから計710万円を横領した江東区立小学校の男性主事(30)が懲戒免職。同校の校長(58)を戒告処分とした。
毎日新聞 2001.03.28 東京朝刊 31頁 社会




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卒業記念し給食運搬車に絵/石川中
【石川】卒業を前に高校へ推薦合格が決まった石川中学校の3年生が、「学校給食の思い出に」と石川市立学校給食共同調理場の運搬車に描いた絵が2日、完成した。6日には給食調理場所長、市教育長、石川中校長、生徒らが調理場の駐車場に集いお披露目した。
 絵を描いたのは3年生25人で同校の又吉奈美子教諭と給食調理場の栄養士、洲鎌和美さんが提案した。
 絵はシェフがカレーライスを手に持ち、にこっと笑っているものや笑顔の生徒をモデルに野菜などの食材が取り囲んでいるもので「I Like Lunch(私は給食が好き)」とスプレーで描き込み、参加した生徒一人ひとりがサイン。7日から市内の五小・中学校に楽しいユニークな絵が描かれた運搬車が給食を届けている。
 前原高校に進学する上地里沙さんは「絵は描くことにはみんなが賛成した」と話し、石川高校に進む新垣沙貴さんは「一つのいい思い出」と話した。
琉球新報 2001年3月12日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-108226-storytopic-86.html

【所長コメント】
 又吉先生、7年後の2008年3月には…




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女児ら全裸に 養護学校の教諭懲戒免/福岡・北九州市

 北九州市教委は二十六日、担任クラスの女児ら二人を全裸にするなどのわいせつ行為をしたとされる市立養護学校の男性教諭(50)と、詐欺まがいの金銭トラブルを起こした同市小倉南区の市立小学校の女性教諭(42)を、懲戒免職処分にしたと発表した。
 市教委によると、男性教諭は一九九七年に小学部四年女児、九九年に中学部二年の女子生徒(ともに当時)に対し、教室で二人きりの時に、全裸にして眺めるなどのわいせつ行為をしたとされる。
 昨年十一月、同僚教諭が「これ以上は許せない」として、同教諭の行為を書いたファイルを市教委に提出し、問題が発覚。同僚教諭三人が証言した。男性教諭は否定しているが、三人の証言が具体的で真実と考えられるとして処分した。
 一方、女性教諭は、同年七月に新車(三百六十五万円)をローンで購入、すぐに金融業者に担保に入れ、百五十万円を借りるなどした。また昨年、計二十六日間の無断欠勤をした。
 藤延憲幸・市教委学務部長は「障害者が証言できない弱みにつけこんだ男性教諭の行為は許せず、学校教育の信頼を傷つけた」と陳謝した。
読売新聞 2001. 02. 27西部朝刊 2社 34頁



2000年以前


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教員の懲戒処分:
わいせつ行為の処分基準さらに厳しく 文部省
(女性教師にクロロホルムをかがせて気絶させ、性行為)
 文部省は、教員からわいせつ行為を受けた児童・生徒が大きな心の傷を負うことから「教育界全体の信用失墜行為」と受け止め、さらに処分基準を厳しくすることや徹底した情報公開を各都道府県教委に伝えることにしている。
 文部省の調査によると、処分された教員のわいせつ行為の相手で最も多かったのは自分の学校の児童・生徒で、処分総数は56人。このうち30人が懲戒免職になった。次いで18歳以上の一般人を相手にした教員21人▽ほかの学校の18歳未満の生徒を相手にした教員19人▽別の教員を相手にした教員13人。
 東京では、中学の男性教師が同僚の女性教師に学校内でクロロホルムをかがせて気絶させ、性行為に及んだとして逮捕され、別の中学教師は町で見かけて気に入った女子高校生を強引にホテルに連れ込んだとして逮捕され、いずれも懲戒免職になった。また、クラブの顧問を務め、マネジャーの女子生徒をホテルに連れ込むなど複数回の性行為をした高校教師や、摂食障害の女子生徒を治療すると親の許可をとって別荘に連れ出し、体に触るなどわいせつ行為をした高校教師も懲戒免職になった。
毎日新聞 2000年12月26日




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女生徒にわいせつメール 同じ中学の教諭「秘密交際」も求める/福岡・久留米市

 ◆県教委 処分を検討
 福岡県久留米市の中学校で、既婚の男性教諭(30)が三年の女生徒に交際を要求したり、わいせつな内容をつづった電子メールを携帯電話から送っていたことが十二日、分かった。女生徒が困って他の教諭に相談したため発覚。男性教諭は現在、病気で長期休暇中だが、県教委は処分を検討している。
 市教委などによると、男性教諭は三年の別の学級の担任をしていることもあり、女生徒とは顔見知りだった。今年五月、女生徒が、職員室の男性教諭の机の上にあった携帯電話を操作してメールアドレスを知り、男性教諭にメールを送ったことから、その後、携帯電話でメールのやり取りをするようになったという。
 男性教諭は体育を担当。男子バスケット部の顧問も務めており、七月六日、同市内での中体連大会に出場して帰宅した夜、女生徒に「秘密にして二人で会おう」「大人の男を知っているか」など六本のメールを送信。この中には、性的な行為について記していたものもあったという。
 男性教諭は翌七日、女生徒に「ごめんね。後悔している」と謝罪するメールを送ったが、女生徒は副担任の女性教諭に「嫌になった。(メールのやり取りを)やめたい」と相談。連絡を受けた校長が男性教諭に事情を聞いたところ、「酒に酔ってやった。反省している」などと認めた。
 市教委も同月、本人から事情聴取を始めたが、男性教諭はその後、うつ病にかかり、夏休み後も九月から現在まで病気休暇を続けている。このため、男性教諭が担任をしている学級は現在、副担任が代わって進路指導などを行っている。
 校長は「日ごろは熱心でまじめだったが、教師としての信用を失う恥ずべき行為をしたことを残念に思う。厳正な処分が下されてしかるべき」と話している。
 県教委北筑後教育事務所の話「まだ内容を調査中だが、事実とすれば容認できない行為で、処分に値する」
読売新聞 2000. 12. 13 西部朝刊 社会 35頁




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養護校前教頭がセクハラ行為 愛知県教委が懲戒免職 【名古屋】

 愛知県西三河地方の養護学校の前教頭の男性(五七)が在職中の昨年九月ごろ、臨時採用中の女性教諭(三一)にセクシュアル・ハラスメント行為をしたとして、県教委が今年十月二十六日付で男性を懲戒免職処分にしていたことが十五日、分かった。
 県教委によると、教頭は「本採用のことで話がある」と女性教諭を校内の図書室に呼び出した際、女性の横に座って肩に手を回した疑い。女性は悩み続け、今年八月になって校長に相談したという。
 県教委の調査に対し、教頭は「本採用試験のことで励まそうと思った。セクハラではない」と説明したが、県教委は女性の話から、「立場を利用してセクハラ行為をした」と認めた。
 県によると、愛知県内では今年度に入って、この教頭のほかに小学教諭一人、中学教諭二人が、わいせつ行為やセクハラの疑いで懲戒免職処分になっている。
朝日新聞社 2000.11.16 名古屋朝刊 28頁 2社会 (全354字)




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高3女子が女性を刺す 男性教諭との交際めぐり 大阪・淀川河川敷公園

 二十六日午後八時五十分ごろ、大阪市淀川区十三東一の淀川河川敷公園で、兵庫県猪名川町に住む高校三年の女子生徒(17)が、滋賀県近江八幡市の女性小学校教諭(23)の背中を包丁(刃渡り十七センチ)で刺した。女性教諭は一週間のけが。通行人の110番通報で駆けつけた府警大淀署員が現場にいた女子生徒を殺人未遂の現行犯で逮捕した。
 調べでは、女子生徒は通学先の男性教諭(25)との交際をめぐって、女性教諭と争っていた。同日、大阪市内などで三人で話し合ったが決着がつかず、夕方から女同士で話をつけることになり、二人で同公園に行ったが口論、刺したという。
 調べに対し、女子生徒は「包丁は今朝、自宅近くの金物屋で買った。話がもつれたら使おうと思っていた」と言っている。
 学校の話では、女子生徒と男性教諭の仲をめぐるうわさが出て、校長が男性教諭に注意。二人ともこの日学校を休んでいた。
読売新聞 2000. 09. 27 大阪朝刊 2社 34頁




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卒業した小学校で現金盗む  家出中の中学生2人を逮捕
共同通信社 2000.09.27 共同通信 (全514字) 
 岐阜県警羽島署は二十七日、家出中に自分が卒業した小学校に忍び込み現金を盗んだとして、窃盗の疑いで神奈川県小田原市の市立中学三年の男子生徒(15)と、同県南足柄市の市立中学二年の男子生徒(14)を逮捕した。
 調べによると、二人は二十六日午後四時ごろから午後五時半ごろまでの間、岐阜県岐南町の小学校の職員室に侵入、机に置いてあった現金約九万五千円の入った女性教諭のバッグを盗んだ疑い。
 十四歳の生徒はこの小学校の卒業生だった。二人は容疑を認めているという。
 二人が小学校で不審な行動をし、近くのアパートに入るところを、この小学校の児童が目撃。バッグがなくなったことに気付いた女性教諭と校長が二十七日午後、アパートへ行ったところ、二階と一階の踊り場に二人がおり、羽島署に通報した。
 二人は遊び仲間で十三日ごろ、神奈川県の自宅から家出し二十五日ごろ、岐阜県にたどり着いた。十四歳の生徒は「(岐南町の)小学校を卒業した後、中学の時に神奈川県に引っ越した」と供述しているという。
 二人の家族は「二人は度々、家出し、しばらくすると帰ってくるので捜索願を出さなかった」と話しているという。羽島署は家出中の行動や宿泊先を調べている。




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婚約破棄の元判事補 「不誠実」と賠償増額 控訴審判決/大阪高裁

 大阪地裁の元判事補(37)が婚約を破棄した女性教諭(40)から「八年間の交際期間中、繰り返し結婚すると約束しながら裏切られ、うつ病になるなど重大な精神的打撃を受けた」として、五千五百万円の損害賠償を求められた訴訟の控訴審判決が十四日、大阪高裁であった。妹尾圭策裁判長は「婚約関係を続ける一方で、隠れて別の女性との結婚話を進めるなど不誠実極まる背信行為」と厳しく批判し、婚約破棄を「不法行為」と認定。五百五十万円の支払いを命じた一審・大阪地裁判決を増額変更し、六百六十万円を支払うよう命じた。
 判決によると、二人は一九八九年から付き合い始め、翌年、元判事補が教諭の父親に結婚の了解を取り付けた。しかし、元判事補の両親が反対したため九二年春、教諭側に婚約解消を申し入れた。ところが、二人はその後も交際を継続し結婚を確認。九五年四月、元判事補が教諭の実家近くの裁判所に赴任した際は、二人で結婚生活に必要な家具を購入した。九八年春には教諭の父親が婚姻届を区役所に提出。しかし、元判事補が区役所に婚姻届を受理しないよう申し入れていたため、不受理扱いとなった。
 さらに、別の女性と婚約、結婚式の日取りも決まっていることを教諭に打ち明け一方的に婚約破棄を通告。教諭は精神的ショックで神経科に通院、「反応性うつ病」と診断された。
 妹尾裁判長は「元判事補は両親への気兼ねから優柔不断な態度を続け、教諭は結婚のために二度も退職手続きを取るなどほんろうされた。連綿と関係を続け、結婚前の女性として弱い立場にある教諭に配慮が著しく欠けた」と批判。さらに「元判事補は控訴した上、教諭がいやがらせのために訴訟を起こしているなどとひぼう、中傷した」と述べ、賠償額を増額した。
 元判事補は今年四月、大阪地裁を最後に退官。現在、東京弁護士会に所属している。
読売新聞 2000. 09. 15 大阪朝刊 社会 39頁




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豊科南中教諭と生徒43人が食中毒=長野

 豊科町立豊科南中(隼田親繁校長)の二年生四十二人と女性教諭一人の計四十三人が食中毒にかかり、腹痛や下痢、発熱の症状を訴えていたことが八日、わかった。うち男子生徒一人が入院したが、すでに退院。他の生徒、教諭も回復しているという。
 松本保健所によると、生徒らは先月二十四日から二十五日に社会見学のため小諸、上田市などを訪れ、帰宅後の二十六日から三十一日に症状を訴えた。複数の便から、牛や豚などの腸管内にいて、汚染された肉や水を介して食中毒を引き起こす「カンピロバクター・ジェジュニ菌」が検出されたという。
 二十五日の仕出し弁当からは菌が検出されておらず、同保健所で、二十四日に小諸市内の食堂で出された昼食と、同夜、上田市内の宿泊施設で出された夕食について調べるため、厨房(ちゅうぼう)などの検査を行っている。
読売新聞 2000. 06. 09 東京朝刊 長野 32頁




EduMail
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【事件】「結婚考えたい、ストーカーするかも」女性教諭が小6男児に手紙
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 愛媛県松山市内の市立小学校の30歳代の女性教諭が昨年9〜11月、6年生の男子児童にTシャツなどを贈り、「ストーカーのようなことをするかもしれない」「結婚の相手と考えてもいい」などと書いた手紙を送っていた。小学校側は児童の保護者から苦情を受け、女性教諭から事実を確認したうえで校長らが謝罪した。同市教委は「信じられない行為。県教委と処分などを検討したい」と話している。

 同市教委学校教育課によると、女性教諭は男子児童にTシャツや運動着を贈ったり、手紙数通を渡していた。保護者から校長に「子供が気持ち悪がり、逃げ回っている」との苦情があって発覚。校長は同11月、女性教諭に事実関係を確認し、市教委に報告した。

 女性教諭は病気を理由に3学期から休職中。4月1日付で別の小学校への異動、復職の予定という。愛媛県教委義務教育課は「必要であれば処分を検討したい」としている。
毎日新聞 2000年04月03日




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職場でセクハラどう解決する? 寸劇形式で「体験」 防止研修に新しい取り組み
 ◆それぞれの立場で演技 問題の本質に気付く
 女性や子どもへの暴力防止に取り組む市民団体「エンパワメント・センター」(森田ゆり代表、事務局・兵庫県西宮市)が職場で起きるセクシュアル・ハラスメントに対して、被害者や加害者、周囲などの役割を分担して演じ、それぞれの立場を認識しあう「ロールプレー」などの方法で解決策を探る参加体験型の防止研修を広めている。これまでの座学中心からリアルな場面の再現で、職場内での解決を主眼に置いた新しい取り組みとして注目を集めている。
 「男子高校生が女性教師からデートに誘われたが、断った。ところが、再度、女性教師からその生徒が希望している奨学金の願書作成を自宅で手伝うといわれた。2人でいるのは避けたいが、手伝ってもらいたいので、困っている」――。
 こんなセクハラのケースなどについて、同県宝塚市でこのほど開かれた「セクシュアルハラスメント防止リーダー養成講座」で、35人の参加者が向き合った。いずれも行政や企業でセクハラ相談などの担当者。何が問題なのか、問題点をどう判断するのかを6人ほどのグループに分かれてまず議論。
 「男の子だから、大丈夫では」「でも、教師と生徒という力関係が働いている」「誘いを断ると手伝ってもらえないわけだから、男女は関係ないんじゃないか」
 問題点が明らかになると、ロールプレー形式でどう解決するかを発表。具体的な解決方法を考えるというだけでなく、加害者や被害者などの役柄を演じることで、それぞれの思いを理解することにもつながっている、という。
 参加者にはそのノウハウを各職場に持ちかえり、この研修を実施してもらう。
 ロールプレーを含む参加型研修は「禁止するだけでは、問題の本質や解決方法は理解されない」という発想から、森田代表がカリフォルニア州職員として、カリフォルニア大を拠点に大学職員らにセクハラなどの人権啓発研修を担当する中で開発してきた手法。参加者の発表を見ながら、講師が最近の判例やいま主流になっている判断の基準、他の解決策などを紹介し、コメントしていく。しかし、あくまでも参加者が感じたことを自由に話し、お互いの意見から問題の本質に気付いてもらうのがポイントだ。
 「講義とは違い、ロールプレーで被害者の立場を体験できるなど、セクハラに対して自分で気付けるのが有益」とこれまで参加した企業関係者らが実際に導入するなど広がりを見せている。
 改正男女雇用機会均等法で企業にセクハラ防止義務が課せられたのを受け、防止研修に力を入れる企業は増えてきている。だが、多くは均等法を受けての訴訟対策か、たんなる「べからず集」に陥りがちなのが実情。
 森田代表は「実際は訴訟よりも内部で対応するケースが圧倒的。職場でどう解決するかを考えるには、相談された時、周囲で起きた時、自分が被害者となった時、解決に向けてどんな行動ができるのかを体験として身につけてもらいたい」と話している。
 問い合わせは同センター(0798・51・XXXXファクスのみ)。
写真=「エンパワメント・センター」の森田ゆり代表
写真=職場でセクハラ問題が起きたら、どう解決するか。対応の仕方などをロールプレー法によって演じることで理解を深める参加者たち(兵庫県宝塚市で)
読売新聞 2000. 03. 11 大阪朝刊 生活B 27頁




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教員の不祥事で市教育長が陳謝 大分市 /大分
 大分市立の中学校教諭(五一)が強制わいせつ致傷の疑いで逮捕され、小学校教諭(五〇)が女性教諭を盗撮していた問題で、同市の清瀬和弘教育長は六日、市議会本会議で「教職にある者としてあるまじき行為で、教育行政に対する信頼を失墜させた」と陳謝した。
 大分市では二月下旬、中学校の男性教諭(五一)が女性の下腹部を触るなどした上、けがをさせたとして、三日に逮捕された。また、小学校の男性教諭が同僚の女性教諭の着替える様子を盗撮していたことが二月下旬に発覚している。
2000.03.07 西部地方版/大分 27頁 大分 (全222字) 
朝日新聞社





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“ストーカー行為”の高校教諭が依願退職 神奈川・座間

 元同僚の女性教諭に“ストーカー行為”を繰り返していた神奈川県座間市内の県立高校男性教諭(四七)が依願退職していたことが十三日、分かった。
 男性教諭は独身で、平成六年四月以降約五年半にわたって、元同僚の二十歳代の女性教諭の自宅付近をうろついたり、女性教諭の出したゴミを持ち去ったりしていた。昨年九月、女性教諭が友人とともに、男性教諭がゴミを持ち去ろうとした現場を取り押さえ、県教委にセクハラ行為として相談していた。
産経新聞社 2000.01.14 東京朝刊 27頁 第1社会 (全207字)

生徒にキス、停職6カ月  ストーカー教諭は依願退職
 神奈川県教育委員会は十三日、女子生徒にキスをしたとして県立高校の男性教諭を停職六カ月にしたほか、体罰などで教諭二人を減給にする計三件の懲戒処分を発表した。また女性教諭にストーカー行為を繰り返した別の県立高の男性教諭に、依願退職を認めたことを明らかにした。
 同県の公立校では昨年以来、女子生徒へのわいせつ行為など教職員の不祥事が多発しており、県教委は「綱紀粛正を目指している最中で誠に遺憾」としている。
 県教委によると、横浜市の県立高校の男性教諭(42)は先月六日の放課後、女子生徒を「勉強をみてあげる」とファミリーレストランに連れて行った後、車で自宅まで送る途中、車内でキスをした。女子生徒の悩みを聞いた友人が別の教諭に相談し発覚した。
 ストーカー行為を繰り返していたのは同県座間市の県立高の男性教諭(47)。一九九四年から九九年にかけ、前任校の同僚だった二十代の女性教諭の自宅付近をうろつき、ごみ置き場に出したごみを持ち去るなどした。
 女性教諭の通報で県教委が調査。処分を検討していたが、男性教諭は事実関係を認めた上で、今月になって退職した。
 このほか、厚木市立中学の男性教諭(31)は昨年十月、クラブ活動をサボったなどとして、男子生徒の襟をつかんでひきずるなどし、軽い打撲傷を負わせた。
 秦野市内の県立養護学校の男性教諭(48)は昨年十月、不要になった生徒の評価記録などの個人情報を、裁断などしないままごみ捨て場に捨てていた。
共同通信社 2000.01.13 共同通信 (全744字) 

県立高3教諭を懲戒処分 男性教諭の辞職を了承−−県教委 /神奈川
 県教委は13日、女性にわいせつ行為をしたとして県立高校の男性教諭を停職6カ月にするなど、計3人の教諭を停職や減給などの懲戒処分にした。また、元同僚の女性教諭に対してストーカー行為をしていたことを認めて辞職願を出していた県立高校の男性教諭の辞職を同日付で了承した。県教委によると、この教諭は懲戒免職ではないため約1000万円の退職金が支給されるという。
 (中略)
 また、県立高の男性教諭(47)が1994年4月から昨年9月までの間、前任校で同僚の20代の女性教諭の自宅近くをうろついたり、ごみを持ち去るなどのストーカー行為をしていた。県教委は懲戒処分を検討していたが、今年になって本人から辞職願が出され、懲戒処分にしても免職までいかないことから引責辞任を認めた。
 これで99年度の懲戒処分は20件20人で、最も重い懲戒免職は6件6人。県教委は「不祥事が続き誠に申し訳ない。懲戒処分の基準も今後、検討していきたい」と話している。【真鍋光之】
毎日新聞社 2000.01.14 地方版/神奈川 (全685字) 





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