まり子先生ピンチ
  Sep.15.2007 up




第1章  美貌の女教師(26歳♀、独身)
   プロローグ


 小林まり子は、4年前に東京の名門女子大を卒業して東京近郊にあるS市の小学校の教師をしている26歳の独身である。小学校では5年2組を担任している。まり子は勤務態度が真面目で、非常に教育熱心であった。また、知的な美貌と明るさから子供達の間ばかりで無く同僚の教師やPTAの間にも人気があった。特に、子供達には、明るくて闊達で、話が分かり、そして何よりも美人なところが人気を博していた。


 4月も終りの頃、もう少しすればゴールデンウイークへ突入と言う日曜日の午後、まり子は、普段からよく利用しているDスーパーへぶらりとやって来た。別に何か買い物をすると言うわけではなく、なぜか足が向いてしまったのである。
 スーパー2Fの化粧品コーナーの口紅売り場でまり子はふと足を止め、口紅を手にとり眺めていた。ところが突然、手にしていた口紅をショルダーバッグの中に忍び込ませてしまった。生理とか学校のことでムシャクシャしていたと言う訳では無く、自分でもなぜそんな行動をしたのかまったく分からなかった。気が付いた時にはもう口紅はバッグの中に入ってしまっていた。いけないことをしてしまったと思ったが、バッグから口紅を取り出し元の場所に戻すのは不自然であり。辺りを気にしながらそのままレジを素通りしてスーパーの外に出てしまった。

  

 「先生!」
 スーパーを出てすぐ、後ろの方で誰かがまり子を呼ぶ声がした。
 振り向くと教え子の近藤翔太がいた。
 近藤翔太はまり子が昨年から担任している生徒であるが、いつも陰湿ないたずらをしてまり子を困らせていた。

 まり子は彼が小さい時に母親を無くし、父親の男手一つで育てられたたと言うことで、同情の余地もあると考えたが、しかし度重なる悪質ないたずらを容認することができなかった。叱ろうとすると、非常に狡賢こく『ああ言えばこう言う』で、屁理屈ばかりこねて一筋縄では行かなかった。
 また、彼の父親も父親で、息子のいたずらについて担任のまり子の言うことを『自由奔放、放任主義』と言う言葉の下に、いっこうに聞き入れようとしなかった。
 まり子は翔太にほとほと手を焼いていた。その翔太に突然声を掛けられた。
 「翔太君、何か用?」
 まり子は先程の件もありややオドオドした様子で返事をした。
 「へへへ・・・まさか、先生があんなことするなんてね! 驚いたよ」
 陰媚に笑いながら翔太はまり子に呟いた。
 「え! 何のこと」
 「へへへ・・・、先生惚けても駄目だよ。さっき、スーパーで先生がしたこと、みんな見ちゃったよ!」

 まり子は一瞬にして青ざめた。
 そして、『まさか万引きなんてね』と言おうとした翔太の口元を慌てて塞いだ。
 「何を言うの!」
 まり子はその美貌をひきつらせた。心臓が激しく動悸するのがわかった。
 「へへへ・・・黙っていてもいいけどね・・・」
 翔太は手を払いのけながら、陰媚な笑いを浮かべてこたえた。
 「ねえ、ちょっとこっちに来て」
 まり子は翔太の袖を掴んで、グイグイと人通りの少ない道へと引張っていった。
 「オットット、何するんだよ!」
 翔太はまり子に凄い力で引張られた。翔太は身長145cmで、小学校5年生の男子にしてはやや大きい方だ。だが、まり子は翔太よりも15cm程背が高く体力的にも勝っていた。そんなまり子に袖をグイグイと引っ張られたのである。
 翔太はムッとして「なにすんだよ!」と、叫んだ。
 「シッ! 静かにして」
 まり子は辺りを伺うように見回し、誰もいないのを確認してから翔太に質問した。
 「ねえ、スーパーでのことって何?」
 「何ってさぁ〜 さっき、Dスーパーの2階の化粧品売り場で,先生がいけないことをしているのを見ちゃったんだよ」
 ニヤニヤしながら翔太はまり子に言った。
 「先生がいけないことしたって? 先生、何かした?」
 まり子はシラを切ろうとした。

 「そうさ! 先生がいけないことしたよ! そのバッグの中に口紅がはいっているだろ」
 「ケータイムービで録画したよ!  先生がしたこと!」
 「・・・」
 まり子は目の前が真っ暗になった。最も見られてはまずい翔太にすべてを見られて、しかも録画までされていたのだった。

 「先生それって、万引って言うんじゃないの。へへへ・・・」
 翔太はギラギラした目でまり子を見た。
 「ねえ、そのことだれにも言わないでくれる」
 まり子は顔面蒼白になり、哀願するように翔太に言った。

 「いいよ、先生黙っててあげる」
 あっけらかんとして翔太は答えた。

 「ほんと? ありがとう翔太君!!」
 普段、一筋縄では行かない翔太が、すんなりと言うことを聞くことに驚きを感じながらも、まり子は満面に笑みを浮かべた。

 「先生、だけど、条件があるんだよね」
 「?? ? 条件?! 条件って何なの」
 やっぱりと言う感じで、まり子は翔太を見やった。

 「条件って言うのはね、ちょっと耳を貸して」
 まり子は不審に思いながら弘の方に耳を傾けた。
 「あのね、先生のね・・・ちょっと言いにくいんだけどさー、先生の裸が見たいんだよ」
 まり子はぎょっとして、『ハダカ?!』と叫んで慌てて自分の口を塞いだ。
 「そ、そうだよ・・・」
 翔太はまり子の声に驚いた様子で辺りを見回しながら答えた。
 「そんなのダメよ!」
 「先生ちょっとだけだよ、少しくらいいいじゃない,ねえ〜」
 「何に言っているのよ! そんなの絶対ダメよ、何で私が君に裸を見せなきゃいけないの?」
 「そうかい、それならそれでいよ、だけどもさっきのことみんなに話してやるから。 証拠はあるんだからね!」
 「え!」

 「あのね〜,先生がさぁ〜!」
 辺りに聞こえよがしに翔太が叫んだ。
 「ちょ、ちょっと待って」
 まり子は慌てて翔太の口を塞ごうとした。
 翔太はまり子の手を振りほどきながら『Dスーパーでさぁ〜』となおも続けようとした。 まり子は青くなって、翔太に手を合わせて『お願い、静かにして』と懇願した。
 「先生の裸を見せてくれるなら黙っててあげるよ」
 「私は翔太君の先生よ、裸なんてダメに決まっているじゃない」

 「先生、先生って,先生づらしているけど、さっきのあれはなんだい」
 まるで、いつも叱られている鬱憤を晴らすかのようにまり子に言った。
 「・・・」
 「もしこのことがみんなに知れたら、先生は学校にいれないし、お嫁にも行けないんじゃないの!」
 「・・・」
 翔太の言葉はまるで小学生とは思えないものだったが、今のまり子には返す言葉が無かった。

 「ねえ、だからちょっとでいいから見せてよ。悪い取り引きじゃ無いよね、先生」
 翔太は均整の取れたまり子の体を下から上へ、舐めるように見た。
 「・・・」
 「ねえ、見せてよ・・・」
 翔太はなおも執拗にせがんだ。

 まり子は、その美貌をゆがめて思案に耽った。
 (良くて「停職」、下手をすれば「懲戒免職」・・・)
 しばらく考えた後、思い切って決断した。

 「わかったわ」
 「さすが、先生。話がわかるね」
 小学生には見えない好色さを帯びた表情でまり子を見やった。

 まり子はOKしたものの、その顔を見て、翔太がクラスの女の子に性的ないたずらをしているのをふと思いだし、急に不安になった。

 (この子はどこまで私の裸を見たいんだろうか・・・オッパイだけですむような生易しそうな子供ではないし。私の体の一番恥ずかしい部分まで見たいと思っているのかしら)

 まり子には翔太がどこまで要求しているのか計り兼ねた。外見だけ見ているとおとなしいくて利発そうな子供なのに、

 「ところで、裸ってどこまでなの?」

 「もちろん全部だよ、おっぱいもあそこもね。女の人の体がどうなっているのかじっくりと見たいんだよ」
 翔太は小学生に見えない陰媚な笑いを浮かべた。

 「えっ!、全部、そんなのダメよ」
 「じゃあいいよ、先生のことみんなに言いふらしてやるから!」
 「・・・」
 「先生、そんなに真剣に考えることは無いよ。子供がよくやるお医者さんごっこだよ」
 「お医者さんごっこ?! そんなー・・・」

   −−−まり子は学生時代に中学生の家庭教師をしていたことがあった。その時に、教え子からお医者さんごっこの話を聞いて、凄くいやらしい気分になったことがあった。−−
 そんなことを思い出しながら考えこんだ。

 もしも言うことを聞かなければ、翔太のことだから本気でスーパーのことを言いふらすに違いない。そんなことがみんなに知れたら学校にいることがでなくなってしまう。まり子は翔太の言うことを聞くしかない弱い立場にあることを悟った。

 「わかったわ、でもさっきのこともこれからのことも絶対にみんなには内緒よ!」
 「もちろんさ」
 「それからもう一つ、今日のことで二度と脅迫するようなことはしないこと」
 「わかってるよ。そんなことより、早く先生のマンションに行こうよ」
 翔太は満面に笑みを浮かべた。

 「えっ、私の所に行くの」
 「そうだよ、じゃあここで裸になるの?」
 本当に翔太は悪知恵だけは良く回る子である。まり子はそれを勉強の方に向けてくれないかしらと思った。
 「わかったわ、じゃあ来なさい。でもどうして先生の裸かなんかが見たいの」
 「だって、先生って凄く綺麗なんだもの」
 翔太はにやにや笑いながら、まり子の顔を見やった。
 「翔太君にそんなこと言われてもちっとも嬉しくないわ」
 まり子は途方に暮れて、俯いてしまった。
 「まぁ、そんなことどうでもいいさ、それよりも早く先生の所に行こうよ」
 翔太はそんなまり子を急かした。

 まり子は、重い足取りで自分が住んでるマンションに向かった。





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